Dr.Web for UNIX Mail Servers

Dr.Web for UNIX mail serversは、お互いに連携するソフトウェアモジュールのグループです。 Dr.Web for UNIX mail serversモジュールはSMTP及びLMTPプロトコルのproxy-serverとして、または幅広いMTA(Sendmail、Postfix、Exim、CommuniGate Pro、Courier、Zmailer、Qmail)に対して、自身の設定、統計情報、レポート、及び隔離機能を持ったフィルタとして動作することが出来ます。

Dr.Web for UNIX mail serversのコンポーネントは以下のアルゴリズムに従い、連携してメールを処理します。

1.Receiverコンポーネントはメールシステムから直接、またはSMTP/LMTPプロトコル経由でメールを受信し、メールを検査するdrweb-maildコンポーネントに転送します。

インストールされているメールシステムや使用するプロトコルによって、このコンポーネントの機能は異なるモジュールで実行されます(drweb-receiverdrweb-milter、drweb-cgp-receiverなど)。複数のReceiverモジュール間の同期オペレーションに対応し、複数のソースから同時にメールを受信、処理することが可能です。Receiverモジュールのいくつかはdrweb-maildコンポーネントによるメール検査の結果を受け取るとすぐに、受信したメールを変更、送信することが出来ます。例えばdrweb-milterモジュールはこの機能を持ち、SMTPセッションが閉じる前に検査結果をSendmailシステムに返すことが可能です。

2.Drweb-maildモジュールはメール処理システムの主要なコンポーネントです。メールのMIME処理を行い、プラグインにメールを転送します。また、データベースにメールを保存する役割も果たします。検査結果はReceiverコンポーネント(結果を待つ時間がタイムアウトしていない場合)かSenderコンポーネントのどちらかに送られます。
3.メールはdrweb-maildモジュールに接続されたプラグインによって処理されます。ユーザはdrweb-maildモジュールの動作を妨げることなく、いつでもプラグインを起動、またはその接続を切ることが出来ます。メールはユーザによって設定された順番で処理され、プラグインが作成したメールは全てSenderコンポーネント経由で送信されます。プラグインの中には、正常に動作するためにデータベースのサポートが必要なものがあります。
4.Senderコンポーネントは、メールを別々のメールシステムに直接、またはSMTP/LMTPプロトコル経由で送信します。インストールされているメールシステムや使用するプロトコルによって、このコンポーネントの機能は異なるモジュールで実行されます(drweb-sender、drweb-cgp-senderなど)。Senderコンポーネントはdrweb-maild、drweb-notifier、drweb-monitorからメールの送信要求を受け取ることが出来ます。
5.drweb-notifierモジュールはソフトウェアシステムの動作中にレポートを作成、送信します。プラグイン、およびその他のシステムコンポーネントがレポートの作成を要求することが出来ます(例えば、ウイルスが検出された時など)。Drweb-maildモジュールは、接続された全てのプラグインの動作に関する統計情報の一般レポートの作成要求を送信することが出来ます。Senderコンポーネントは、メールの送信失敗についてのDSNレポートを要求することが出来ます。レポートは送信者、受信者、及びシステム管理者に送信されます。
6.drweb-agentモジュールによって、メール処理システムはDr.Web Enterprise Security Suiteと連携してStandaloneモード、及びEnterpriseモードで動作することが出来ます。Enterpriseモードでは、全てのシステムコンポーネント(drweb-monitor以外)がdrweb-agentモジュール経由で設定情報を受け取ります。そのため、drweb-agentモジュールは他のコンポーネントより先に起動している必要があります。drweb-agentはまた、ライセンスの有効性を検査し、システムコンポーネントの動作に関する統計情報(ブロックしたオブジェクト名、処理したファイルの合計サイズなど)を収集します。
7.drweb-monitorモジュールは、ユーザの設定した順番で他のシステムモジュールを起動、終了させます。また、それらの動作を監視し、異常な動作を始めたモジュールを再起動させ、システム管理者に通知します(設定でそのようなアクションが指定されていた場合)。

以下のプラグインを使用することが出来ます。

drweb - Dr.Web Daemonモジュールを使用して、受信する全てのメールのウイルス検査を実行します。メールは分解されてDaemonに転送されるため、MIME処理は必要ありません。
headersfilter - メールをヘッダでフィルタリングします。フィルタリングルールに正規表現(Perl)を使うことが出来ます。
vaderetro - 独自のVadeRetroライブラリを使用してスパムメールをフィルタリングします。このライブラリは動的にアップデートされています。VadeRetroはメール処理の速さに優れています。
modifier - このプラグインによって、メールの内容やエンベロープに応じてメール全体、またはその一部を変更することが出来ます。検査したメールに英数字の署名を加えたり、スパムと判定されたメールから画像を削除することが出来ます。