設定

Dr.Web Daemonはデフォルト設定で使うことも出来ますが、要件や状況に応じて変更することも可能です。Daemonの設定は、%etc_dirディレクトリ内にある設定ファイル(デフォルトではdrweb32.ini)に保存されています。他の設定ファイルを使う場合は、起動時にファイルへのフルパスをコマンドラインパラメータで指定してください。

設定ファイルの構造やパラメータの種類についての説明は、設定ファイルの章を参照してください。

[Daemon] section

EnginePath = {path to file}

ウイルス検査エンジン(drweb32.dll)の指定です。

デフォルト値:

EnginePath = %bin_dir/lib/drweb32.dll

VirusBase = {list of files or masks}

ウイルス定義ファイルの指定です。

ワイルドカード"*"の利用とカンマ","区切りによる複数指定が可能です。

Default value:

VirusBase = %var_dir/bases/*.vdb,%var_dir/bases/*.VDB

UpdatePath = {path to directory}

Updaterupdate.pl の一時作業用ディレクトリの指定で、必須パラメータです。

デフォルト値:

UpdatePath = %var_dir/updates/

TempPath = {path to directory}

ウイルス検査エンジンの一時作業用ディレクトリの指定です。システムのメモリが十分でない場合や特定の種類のアーカイブを展開する場合に使います。

TempPath = %var_dir/spool/

Key = {path to file}

キーファイルの指定です(ライセンスまたはデモ)。DaemonScanner は異なるライセンスキーファイルを持っているのでご注意ください。この場合、それに応じてこのパラメータの値を変更する必要があります。Daemonは複数のキーファイルを同時に使用することが出来ます。それぞれに対してdrweb32.iniファイルの[Daemon]セクション内でKeyパラメータ値を指定する必要があります。この場合、Daemonは使用できる全てのキーファイルからライセンスパーミッションを集めようとします。

デフォルト値:

Key = %bin_dir/drweb32.key

MailAddressesList = {path to file}

検査対象とするメールアドレス一覧ファイルへのパスの指定です。15または30アドレスライセンスの場合に有効となります。

デフォルト値:

MailAddressesList = %etc_dir/email.ini

OutputMode = {Terminal | Quiet}

drwebプロセスの起動時のメッセージ出力の指定です。

Terminal - 標準出力 Quiet - 出力を抑制

デフォルト値:

OutputMode = Terminal

RunForeground = {Yes | No}

Yesの場合、Daemonをフォアグラウンドで動作させます。

通常は、デフォルトのNo(デーモン)を使用します。特別なユーティリティ(Dr.Web Monitorなど)を使用する場合の指定です。

デフォルト値:

RunForeground = No

User = {user name}

Daemonを起動するユーザ名の指定です。Daemon及びフィルターに使用される、別々のdrwebユーザアカウントを作成することを推奨します。セットアップにかかる時間は減りますが、Daemonroot権限で実行することは推奨できません。SIGHUPを使用して設定をリロードする場合、このパラメータは変更されません。

デフォルト値:

User = drweb

PidFile = {path to file}

DaemonのPIDファイルへのパスの指定です。

デフォルト値:

PidFile = %var_dir/run/drwebd.pid

BusyFile = {path to file}

Daemonの子プロセスが検査中に作成するロックファイルへのパスの指定です。

ファイル名の末尾に子プロセスのPIDが付加されます(例:/var/run/drwebd.bsy.123456)

デフォルト値:

BusyFile = %var_dir/run/drwebd.bsy

ProcessesPool = {process pool settings}

子プロセスの生成に関する指定です。

まず、プール内のプロセス数を指定します。

auto - システムの負荷状態により、自動的にプロセス数が生成されます。
N - 1以上の整数を指定します。指定した数だけプロセスが生成され、必要に応じて追加プロセスが生成されます。
N-M - 1以上の整数を指定します。Nに指定した数だけプロセスが予め生成されますが、Mで指定された数を超えてプロセスは生成されません。

次に、任意の追加パラメータを指定することもできます。

timeout = {time in seconds} - アクティブでないプロセスを終了するまでのタイムアウト値の指定です(前述のNで指定された数のプロセスは、このパラメータの影響を受けません)。
stop_timeout = {time in seconds} - 稼働プロセスを停止させるまでの最大待ち時間の指定です。

デフォルト値:

ProcessesPool = auto,timeout=120,stop_timeout=1

OnlyKey = {Yes | No}

Yesの場合、Agentからライセンスキーファイルのみを受け取ります。設定はローカルの設定ファイルに従います。

Noの場合、Agentからライセンスキーファイルと設定ファイルを受け取ります。

デフォルト値:

OnlyKey = No

ControlAgent = {socket address}

AgentのソケットをTYPE:ADDRESSの形で指定します。 TYPEはソケットの種類です。

inet - TCPソケット
localまたはunix - UNIXソケット

:

ControlAgent = inet:4040@127.0.0.1,local:%var_dir/ipc/.agent

デフォルト値:

ControlAgent = local:%var_dir/ipc/.agent

MailCommand = {command}

Daemon及びUpdaterが通知メールを管理者に送信する際のコマンドの指定です。ライセンスの有効期限まで2週間になると、Daemonは起動、再起動、再読み込みの度に通知を送信します。

デフォルト値:

MailCommand = "/usr/sbin/sendmail -i -bm -f drweb -- root"

NotifyPeriod = {value}

ライセンスキーの期限切れを示す通知メールを何日前から送信するかの指定です。"0"を指定した場合、ライセンスの期限が切れた後に通知メールが送信されます。

デフォルト値:

NotifyPeriod = 14

NotifyFile = {path to file}

ライセンスキーの期限切れを示す通知メールを送信した日時を記録するファイルの指定です。

デフォルト値:

NotifyFile = %var_dir/.notify

NotifyType = {Ever | Everyday | Once}

ライセンスキーの期限切れを示す通知メールを送信する頻度の指定です。

Once - 1回限り

Everyday - 毎日

Ever - Daemonの再起動時およびウイルス定義ファイルの更新時

デフォルト値:

NotifyType = Ever

FileTimeout = {value in seconds}

1個のファイルを検査する最大時間(秒)の指定です。

デフォルト値:

FileTimeout = 30

StopOnFirstInfected = {Yes | No}

ウイルスを1個検出した時点で検査を終了するかどうかの指定です。

デフォルト値:

StopOnFirstInfected = No

ScanPriority = {value}

Daemonのプロセスの優先度の指定です。

–20(最も高い優先度) ~  19(Linux)または、20(Linux以外)の整数

デフォルト値:

ScanPriority = 0

FilesTypes = {list of file extensions}

ScanFilesパラメータがByTypeの場合に検査対象となる拡張子の指定です。

"*" と "?" によるワイルドカードの利用が可能です。

デフォルト値:

FilesTypes = EXE, COM, SYS, OV?, BAT, BIN, DRV, PRG, BOO, SCR, CMD, VXD, 386, DLL, FON, DO?, XL?, WIZ, RTF, CL*, HT*, VB*, JS*, INF, AR?, ZIP, R??, PP?, OBJ, LIB, HLP, MD?, INI, MBR, IMG, CSC, CPL, MBP, SHS, SHB, PIF, SO, CHM, REG, XML, PRC, ASP, LSP, MSO, OBD, THE*, NWS, SWF, BMP, MPP, OCX, DVB, CPY, MSG, EML

FilesTypesWarnings = {Yes | No}

検査対象外ファイルに関する警告の指定です。

ScanFilesパラメータがByTypeの場合、検査対象外ファイルの検査要求に対して警告するかどうかの指定です。

デフォルト値:

FilesTypesWarnings = Yes

ScanFiles = {All | ByType}

検査モードの指定です。

All を指定した場合は、全てのファイルを検査します。ByTypeを指定した場合は、FileTypeパラメータで指定された拡張子のファイルのみを検査します。

このパラメータはローカルスキャンモードでのみ使用することができます。メールボックス内のファイルは拡張子に関係なく常に検査されます。

デフォルト値:

ScanFiles = All

CheckArchives = {Yes | No}

アーカイブファイルの検査に関する指定です。

ZIP, RAR, ARJ, TAR, GZIP, CAB その他のアーカイブファイルを検査します。

デフォルト値:

CheckArchives = Yes

CheckEMailFiles = {Yes | No}

電子メール書式ファイルの検査に関する指定です。

デフォルト値:

CheckEMailFiles = Yes

ExcludePaths = {list of paths or masks}

検査を除外するディレクトリの指定です。

デフォルト値:

ExcludePaths = /proc,/sys,/dev

FollowLinks = {Yes | No}

シンボリックリンク先のファイル・ディレクトリの検査に関する指定です。

デフォルト値:

FollowLinks = No

RenameFilesTo = {mask}

名前変更時の拡張子のマスクに関する指定です。

デフォルト値の"#??"の場合、"#"は拡張子の該当箇所を"#"で置き換えることを意味し、"??"は該当箇所を置き換えないことを意味します。eicar.comの検出で名前変更をした場合、eicar.#omとなります。拡張子がないファイルの場合は、".#"を付加します。

デフォルト値:

RenameFilesTo = #??

MoveFilesTo = {path to directory}

隔離先のディレクトリの指定です。

デフォルト値:

MoveFilesTo = %var_dir/infected/

BackupFilesTo = {path to directory}

感染ファイルに対して修復(Cure)を指定している場合に、元のファイルをバックアップするディレクトリの指定です。

デフォルト値:

BackupFilesTo = %var_dir/infected/

LogFileName = {file name}

ログファイルの指定です。

syslogを指定することができます(SyslogFacilitySyslogPriorityパラメータの指定が必要です)。

デフォルト値:

LogFileName = syslog

SyslogFacility = {Daemon | Local0 .. Local7 | Kern | User | Mail}

syslogのファシリティの指定です。

デフォルト値:

SyslogFacility = Daemon

SyslogPriority = {Alert | Warning | Notice | Info | Error}

syslogのプライオリティの指定です。

デフォルト値:

SyslogPriority = Info

LimitLog = {Yes | No}

ログファイルのサイズ制限の指定です。

デフォルト値:

LimitLog = No

MaxLogSize = {value in Kbytes}

ログファイルの最大サイズの指定です(LimitLog = Yes の場合)。

0以上の整数で、ログファイルのサイズ(キロバイト)を指定します。

デフォルト値:

MaxLogSize = 512

LogScanned = {Yes | No}

Yesの場合、検査した全てのファイルの情報をログに記録します。

デフォルト値:

LogScanned = Yes

LogPacked = {Yes | No}

Yesの場合DIET、PKLITEなどで圧縮されたファイルに関する情報をログに記録します。

デフォルト値:

LogPacked = Yes

LogArchived = {Yes | No}

Yesの場合、アーカイバに関する情報をログに記録します。

デフォルト値:

LogArchived = Yes

LogTime = {Yes | No}

Yesの場合、ログの各行に処理時間を記録します(LogFileName = syslogの場合は使用できません)。

デフォルト値:

LogTime = Yes

LogProcessInfo = {Yes | No}

Yesの場合、検査を実施したプロセスのPIDと検査を要求したクライアントのIPアドレス(またはホスト名)が記録されます。

デフォルト値:

LogProcessInfo = Yes

RecodeNonprintable = {Yes | No}

ログ中の表示できない文字の置換に関する指定です。

デフォルト値:

RecodeNonprintable = Yes

RecodeMode = {Replace | QuotedPrintable}

表示できない文字の置換方法の指定です(RecodeNonprintable = Yesの場合)。

Replaceの場合は、RecodeCharパラメータで指定する文字に置換します。QuotedPrintableの場合はquoted-printableエンコード文字列で置換します。

デフォルト値:

RecodeMode = QuotedPrintable

RecodeChar = {"?" | "_" | ...}

表示できない文字を置換する文字列の指定です(RecodeMode = Replaceの場合)

デフォルト値:

RecodeChar = "?"

Socket = {socket address}

Daemonが検査要求を待ちうけるソケットの指定です。

ソケットを指定する方法はいくつかあります。

複数のソケットアドレスは1つのストリング内で指定する必要があります。TYPE:ADDRESSの形で指定し、TYPEはソケットの種類です。

inet - TCPソケット
localまたはunix - UNIXソケット

:

Socket = inet:3000@127.0.0.1,local:%var_dir/.daemon

またPORT [interfaces] | FILE [access] の形で指定することも出来ます。

TCPソケットには10進法でのポート番号(PORT)、要求を受けるインターフェース名のリストかIPアドレス(interfaces)を指定します。

:

Socket = 3000 127.0.0.1, 192.168.0.100

UNIXソケットにはソケット名(FILE)、8進法でのアクセスパーミッション(access)を指定します。

:

Socket = %var_dir/.daemon

Socketパラメータの数に制限はありません。正しく指定されたすべての設定でDaemonが動作します。利用可能な全てのインターフェースで検査要求を受ける場合は、3000 0.0.0.0 と指定してください。

デフォルト値:

Socket = %var_dir/run/.daemon

SocketTimeout = {value in seconds}

ソケット経由で送受信されるデータのタイムアウト値(秒)の指定です。ファイルの検査時間は含みません。

デフォルト値:

SocketTimeout = 10

 

アーカイブファイルの検査時間を短縮するために次のパラメータを使用することができます(アーカイブ内のいくつかのオブジェクトは検査されません)。除外されたアーカイブに対する動作は該当するモジュールのArchiveRestrictionパラメータで定義されます。

MaxCompressionRatio = {value}

アーカイブファイルを展開して検査する際の圧縮比の上限値の指定です。

指定された圧縮比を超える場合には検査を行いません。

デフォルト値:

MaxCompressionRatio = 500

CompressionCheckThreshold = {value in Kbytes}

アーカイブファイルの圧縮比を確認するファイルサイズの下限値(キロバイト)の指定です( MaxCompressionRatioパラメータで指定されている場合)。

デフォルト値:

CompressionCheckThreshold = 1024

MaxFileSizeToExtract = {value in Kbytes}

アーカイブ中の最大ファイルサイズ(キロバイト)の指定です。

指定された値を超えたファイルは検査を行いません。

デフォルト値:

MaxFileSizeToExtract = 40960

MaxArchiveLevel = {value}

アーカイブファイルを検査する際の最大ネストレベルの指定です。

最大ネストレベルを超えるアーカイブファイルは検査を行いません。

デフォルト値:

MaxArchiveLevel = 8