動作原理

このコンポーネントにより、スキャンでローカルファイルシステムのファイルとして表されていないデータをDr.Web Scanning Engineエンジン(ローカルまたはリモートホストにある)に送信できます。このデータは、(Dr.Web ICAPD、Dr.Web ClamD)接続を介してスキャンのデータを送信するコンポーネントによって処理されます。これらのコンポーネントは、ローカルホストにある場合でも、Dr.Web Scanning Engineエンジンへのファイル転送に常にDr.Web Network Checkerを使用することに注意してください。そのため、Dr.Web Network Checkerが利用できない場合、これらのコンポーネントは正しく機能しません

また、Dr.Web Network Checkerにより、Dr.Web for UNIX Internet Gatewaysがインストールされているネットワーク(またはその他のDr.Web for UNIXソリューション10.1以降)の特定のノードセットとDr.Web for UNIX Internet Gatewaysを接続することで、ローカルファイルシステムでファイルとして表されない分散されたチェックデータの有無をまとめて確認できます。これによりこのコンポーネントは、検証でデータを交換する一連のネットワークノードであるスキャンクラスタを構築および設定できます(各インスタンスにDr.Web Network Checker分散検証エージェントの独自のインスタンスが必要です)。スキャンクラスタに含まれるネットワークの各ノードで、Dr.Web Network Checkerはスキャンデータのタスクの自動分散を実行し、接続が設定されているすべての使用可能なノードにネットワークを介して転送します。同時に、リモートノードで使用可能なリソースの量に応じて、データ検証によって発生するノードの負荷分散が実行されます(読み込みで使用可能なリソース量の指標として、このノードのスキャンコアDr.Web Scanning Engineによって生成される子のスキャンプロセス数が使用されます)。使用されている各ノードでのチェックを待機しているファイルキューの長さも推定されます。

この場合、スキャンクラスタに含まれる任意のネットワークノードは、リモートスキャンにデータを送信するスキャンクライアントの他、検証のために指定されたネットワークノードからデータを受信するスキャンサーバーとして機能します。必要に応じて、ノードがスキャンサーバーまたはスキャンクライアントとしてのみ機能するように分散スキャンエージェントを設定できます。

スキャン用にネットワーク経由で受信したデータは、一時ファイルとしてローカルファイルシステムに保存され、Dr.Web Scanning Engineエンジンに送信されるか、利用できない場合はスキャンクラスタの他のノードに送信されます。

設定にあるInternalOnlyパラメータを使用すると、Dr.Web Network Checkerの動作モードを管理できます。これは、Dr.Web Network CheckerがDr.Web for UNIX Internet Gatewaysをスキャンクラスタに含めるために使用されるのか、Dr.Web for UNIX Internet Gatewaysローカルコンポーネントのみの内部目的のために使用されるのかを示します。

ファイルのチェック(スキャンクラスタのノードに対するスキャンジョブの分配を含む)にDr.Web Network Checkerを使用する独自のコンポーネント(外部アプリケーション)を作成できます。そのためにDr.Web Network Checkerコンポーネントには、Google Protobufテクノロジーに基づくカスタムAPIが用意されています。Dr.Web Network Checker APIの他、Dr.Web Network Checkerを使用するクライアントアプリケーションのサンプルコードがdrweb-netcheckパッケージの一部として提供されています。

スキャンクラスタの作成例は、スキャンクラスタの作成セクションにあります。